辻 宏朗さん

○ プロフィル


  レイカディア大学園芸学科23期卒、「 滋賀の名木を訪ねる会」会長、「淡海の巨木探訪」(H16年発行)、「滋賀の巨木写真展」(H15年から毎年数回開催)、また「栗東市観光ボランティア」としても活躍中。67才



○ 活動を始めたきっかけは?

 レイカディア大学園芸学科2年のとき、栗東市・安養寺山の大きな杉の木を見に行ったのがきっかけです。栗東市・五百井神社(いおのいじんじゃ)の御神木なんですが、初めて見たときその巨大な木の神聖さと厳粛さに圧倒されました。
 何百年という年月を生き抜いてきた何とも言えない偉大さ!自分ひとりで見るのはもったいない、みんなにも見せたい!と思い立ち、レイカディア大学園芸学科のメンバーに呼びかけて、「滋賀の名木を訪ねる会」を立ち上げました。

   五百井神社のスギ



○ どんな活動をされているのですか?

 県内各地の名木を訪ね歩いていますが、これまでにおおよそ400〜500本は見て回り、その記録を残したいと考え、4年前「淡海の巨木探訪」としてまとめました。これは県の援助を受けて発行したものですが、その反響の大きさにはビックリしました。テレビ、新聞、雑誌の取材が毎日あり、森林への関心の高さを実感しました。
 その後、続編として「淡海の巨木探訪―湖北編―」、「淡海の巨木探訪―湖南編―」をまとめました。近く「淡海の巨木探訪―東近江編―」を発行する予定です。
 また、公民館や図書館、学校で「巨木写真展」を開催し、巨木のすばらしさと保護の大切さを知っていただこうと努めています。  

           

「滋賀の名木を訪ねる会」が編集した「淡海の巨木探訪」

 さらに、これまでの調査の集大成として、近江の巨木100箇所を紹介する本をたねや近江文庫から出版の予定です。



○ お勧めスポット(樹木)は?

 県内各地にがたくさんありますが、「唐川のスギ(野大神)」(高月町唐川)、「八幡神社のケヤキ(野神)」(高月町柏原)、「黒田のアカガシ(野神)」(木之本町黒田)、「杉坂峠の大スギ」(多賀町栗栖)などは是非見てほしい巨木です。風雪に耐え歴史を乗り越えてきた巨木の姿は、私たちに多くのことを語り想像させてくれます。 

      

左から 唐川のスギ ・ 八幡神社のケヤキ ・ 黒田のアカガシ




○ 湖北には巨木が多いですね?



 湖北には独特のお祭りとして野神さんがあります。山の神が里に降りてきたときのお祭りで、野神さんと崇められる神木に御神酒を供えしめ縄を飾って二百十日の無事と五穀豊穣をお祈りしているものです。このように神様のお降りになる場所の木を大切に長年お守りしているため、巨木となってたくさん残っています。
 高月町には野上の巨木が多いのですが、もっとクローズアップしていかないと、もったいないと思っています。



   取材スケッチ(岡嶋描く)


○ 今後の抱負は?

 趣味で巨木の絵画を描いています。樹木に対する思いを残す方法としては、絵画が一番だと思います。何日も格闘して描き上げると写真とは違う思いのこもった作品が出来上がります。70才までに50枚描きたいと計画し、現在約25枚描きあげています。いずれ巨木絵画展を開きたいと考えています。
 また、癒し系の草花も描いています。こちらの方はハガキにしてお年寄りに差し上げ、喜んでもらえたらと計画しています。 

       

左から「ホトケノザ」・「ヒメオドリコソウ」・「ゲンゲ」
辻宏朗さんの描いた草花


取材者:岡嶋達生・久保貞雄(びわこシニアネット情報サポーター)